読んでわかるミレニアムシティ その7

ミレニアムシティとは何かをまとめた文章です。サステナブルデザイン国際会議の報告原稿を使っています。

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都市と農地の同時再生

くりもとミレニアムシティでは、既存のものの新しい捉え方が建築性能となるものとして、都市と農地と森林の同時再生を試みています。

都市と農地の同時再生
都市と農地の同時再生2

樹木と建築をセットで提案することで、落葉高木を使ったパッシブソーラーシステムとなっています。まずは農地の区画整理で伐採予定の森をまるごと移植します。その下に、グラスハウス、その中にCOYAという3層構成となっています。そうしますと、大きなシェードツリーの下には夏は葉が茂り、日射を遮るので涼しく、冬は落葉し、日なたとなり温室効果で暖かいという自然のリズムに合った省エネシステムとなります。冬の夜はCOYAにこもって局所暖房で充分な為、結果として超省エネとなります。
このような樹木と建築をセットにした単純明快な考え方は、汎用性も高いものではないかと思います。さらに、これらの樹木が食べられる実をつける果樹であるならば、森林が農地でもあるわけです。現在世界中で見直されているアグロフォレストリー(森林農業)の手法です。ここでは、栗や、柿、梅などに加え、温室内にはバナナ10本、パパイヤ、オレンジ、ブドウなど多くの実のなる木が植えてあります。都市が森林であり、農地でもある省エネ、省資源システムです。さらに、この考え方を応用していくと、現在の日本の林業のパラダイムシフトにつなげられるヒントが隠れています。つまり、日本は国土の7割が森林でありながら、その約半分を占める人工林は、主に木材としての利用しか考えられないため、外国の木材に押され、産業としては成立しなくなっているわけです。しかし、くりもとミレニアムシティのように、生きた樹木と建築をセットで捉えることで、森林は木材というだけでなく、生きたシェードツリーとして商品になりえるわけです。シェードツリーとしての価格は木材の場合と比べると、数倍から数十倍の高値で成立する為、林業の新たなる活性化と、都市部に擬似森林が次々と出来上がってくることにより、ヒートアイランド現象や温暖化防止に直結する効果があると思われます。

専用部分の極小化

生活スタイルからのエコロジー提案として専用部分の極小化にトライしています。
木造のCOYAという1坪~3坪の広さの専用棟が32棟あり、他は全て共用部となっています。これはワークショップの成果ですが、多くの人がどうしても専用化したいのはベッドルームだけのため、COYAは大きめのベッドルームだけの大きさしかありません。またこれは、お試し別荘として機会を多くの人に提供する為でもあります。ちなみに200坪の床面積で32戸の別荘が建築可能となっています。敷地は500坪で借地です

COYA

施設の多目的利用

建物の使い方・捉え方からのエコロジー提案として5つの機能をひとつの施設に兼用用途化することで4つの施設を節約しています。このような兼用用途化や混成系をもとにした共生・共存のあり方は、まさに生物界のありかたそのもので、それをモチーフにしています。
5つの機能とは住居・農業研修所・学校・芸術村・国際交流農場サロンです。

国際交流農場サロン



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