読んでわかるミレニアムシティ その4

ミレニアムシティとは何かをまとめた文章です。サステナブルデザイン国際会議の報告原稿を使っています。

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パラダイムシフトで都市をつくる

次の図をご覧ください。

パラダイムシフト

これはパラダイムシフトが個人のレベルでは起きやすいが、社会現象として起きにくいことを示したものです。皆さん、例えば日本の着物、和服を思い起こしてください。昔は日本人の誰もが着ていた着物ですが、今現在、会社に勤めている人で、着物を着て出勤している人は、一部の特殊な職業の人を除けばほとんどいないと思います。洋服で行っていると思います。
日本人ですから、やっぱり着物がいいよなー、着物は日本人の心、今日から着物を着ようと思っても、いきなり会社へ着物を着ていったらどうなるでしょう。正月の挨拶でもない限り、「今日は一体どうしたの?」とか「頭がおかしくなったんじゃない?」とか言われること必至です。要するに、日本では特に少数で特異なことをすると「変な人たち」に思われてしまうわけです。それでは個人レベルのパラダイムシフトを社会全体に広げてゆくにはどうしたらよいでしょう?それは、ひとつには「おしゃれに、粋に、遊び心をもって」というキーワードを私は考えているわけですが、このキーワードで多くの人を賛同者にしていくことが有効だと考えています。まさに「デザイン」が特に重要になってくるということでもありますが、「みんなでやれば、世界は動く」です。 このようにして都市をまるごと多くの人の協力でつくり上げていくことで、社会的なパラダイムシフトにつなげる賛同者が広がっていくことにもなるわけです。
次にそもそも「都市をまるごとつくることは簡単かもしれない」というパラダイムシフトの可能性をみてみたいと思います。
次の図は実際にあったワークショップの成果をモデル化したものですが、白丸は賛同者、黒丸は反対者だと思ってください。

ワークショップの成果

たとえば、「どこに住みたいか?」の問いに対して海に住みたい人と山に住みたい人が混在している状態では紛糾します。これを海に住みたい人だけに分け、山に住みたい人だけに分けていくわけです。そして、マンションタイプがいいのか、一戸建てがいいのか、はたまた共用部には、農場が欲しいとか、ジャングル風呂が欲しいとかに分けていくと、基本的な項目については、賛同者だけになっていくわけです。その後の細目は議論して決めていけばよいわけです。それに対し、例えば都心の再開発などで、なんとか町の何丁目のエリアを対象とすると、こちらの図のように反対者と賛同者が混在するので、人数が少なくてもなかなかうまくいかないわけです。それに対して賛同者だけに分けていくやり方であれば、たとえ人数が多くてもスムーズにプロジェクトが進んでいくわけです。都市を新たにまるごとつくるのは簡単かもしれないということなのです。




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