ミレニアムシティ・シンポジウム

2000年11月に行われたミレニアムシティ・シンポジウムの内容についてお知らせします。

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ミレニアムシティ・シンポジウム

開催日:2000年11月23日14時30分~19時30分
会場:豊島区民センター文化ホール

シンポジウム

次の3名の講師が、未来の都市像や人のつながりについて講演を行いました。

梅澤忠雄(都市開発プロデューサー)
テーマ:「21世紀の地平…大都市の束縛力からの開放 分散居住の可能性を求めて」
内容:現代の都市生活のシステムは、産業革命によって出現した工業中心の産業構造に合わせてつくられたものです。それまでの牧畜を中心とした農村社会から、新しい都市社会への転換は非常に短期間で行われました。たとえば上下水道の整備、学校教育制度、規則正しい生活等、今では当たり前と思っていることが、この時代に急速につくられてきた制度です。現在起こっている変革はこの産業革命に伴う大きな変化と同規模のもので、社会のシステムデザインを根本から全て変える必要があるのです。この変化を乗りきるには、多様な人々が知恵を絞って様々なアイディアをだし、どんどん実験することが必要で、ミレニアムシティのような活動もその一つとして考えられます。情報化時代に対応する新しい都市のあり方として分散居住という形が提案されています。アメリカでは人々が大都市を捨てて田舎の小さな町に移り住むという現象が起こっていますが、現在成功している例としてデンバーを中心とするロッキー山脈周辺の都市郡があげられます。また、エコロジー的な観点からはドイツのエコロジー団地、環境共生型飛行場の建築など、様々な試みがなされています。

井口浩(環境建築家・森林都市計画家)
テーマ:「都市をまるごとつくろう!……地球環境保全にむけて」
内容:現在環境破壊はとても深刻な問題です。地球温暖化、オゾン層破壊、エネルギー問題、土壌や水質の汚染等、どれ一つをとっても、このままいくと今後20年くらいのうちに破滅的な危機が訪れることを警告しています。また、地域間の経済格差の問題、核家族化に伴う教育問題や老人福祉問題、少子化問題等も深刻さを増しています。これらは相互に緊密に結びついているので、一つ一つ個別に対処するのは大変困難であると考えます。ミレニアムシティは、これらの諸問題を一括して根本から解決する道なのです。都市を市民の手でまるごとつくるのは、外国でいくつも例が見られるように、決して難しいことではありません。パラダイムシフトによって新しい発想を促しつつ、ワークショップを有効に活用することで、利害対立の少ない集団を形成し、自分達の望む住まい方を実現することができます。ミレニアムシティが目指す方向を具体的に示すものとして、パラダイムシフト・セルフビルド・環境共生/環境蘇生・コレクティブハウス・ネットワーク都市という5つの骨子を挙げてあります。これに沿って、皆さんも一緒にこの素晴らしい都市をつくっていきましょう。

吉家重夫(心理カウンセラー)
テーマ:「つながりを求める人の心」
内容:私は10年前に内在者理論という新しい心理学を構築しました。現在それを使って、毎日カウンセリングをしています。それなりに成果はあげていますが、まだ十分ではありません。たとえば幼い子供を連れて離婚したお母さんの悩みに対し心のケアはできますが、それだけでは完全には解決しません。子供を保育園に預けて働くには今の社会はとても都合が悪くできています。心の問題と社会の問題は表裏一体であって、切り離すことはできないのです。私達の心は外の世界にある人間関係をそのまま反映して成長していきます。ですから、どういう環境でどのように育ったのかということが、その人が健康に育つかどうかということを決定的にしています。人との関わり合いのなかで、一人一人の全人格と結びつき、認識するような付き合いができることが心を豊かに育てるポイントであり、そのように社会に変えていくことが必要なのです。それがまさにミレニアムシティの提唱する姿ではないでしょうか。



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